鼠径ヘルニアと運動

鼠経ヘルニアについて

手術後の経過や痛み、後遺症鼠経ヘルニアはお腹と足の境目である鼠径部にふくらみができる病気です。このふくらみの中は腸などの組織で、脱腸と呼ばれることがあります。放置していると悪化して腸閉塞や腸の壊死などを起こす可能性もあるため、早めに治すことが重要です。鼠経ヘルニアは手術でしか治すことができない病気ですが、近年は手術手法や麻酔の洗練などによりお身体への負担が少ない日帰り手術が可能になっています。

筋膜を鍛えても鼠経ヘルニアは予防できません

鼠経ヘルニアとスポーツ鼠径部にふくらみができるのは、鼠径部の筋膜にある隙間が破れたり、ゆるんだりすることが原因です。加齢によって筋膜がゆるんで発症するケースが多いので、筋肉を鍛えれば予防できると勘違いされやすいのですが、筋肉のない隙間はいくら鍛えても塞がることはありません。
激しいスポーツや筋トレをすることで強い腹圧がかかる機会が多くなり、鼠経ヘルニア発症の原因になってしまう可能性があるため、鍛えることが逆効果になることもあります。

鼠経ヘルニアリスクと運動

鼠経ヘルニアは、腹圧がかかる動作や運動を日常的に行っているとなりやすい傾向があります。重い荷物を持つことが多い職業、立ち仕事、トランペットなど腹圧がかかる演奏をされる方、そしてアスリートも鼠経ヘルニアになりやすいとされています。
また、サッカー選手は片足立ちでキックするという動作を繰り返すことにより、スポーツヘルニア(鼠径部痛症候群)になることが多いとされています。スポーツヘルニアは運動時に痛みが出ますが、腫れはなく、休息すると痛みは治まります。

鼠経ヘルニア手術後のスポーツについて

鼠経ヘルニア手術後のスポーツについて日帰りで受けられる手術ですし、傷も小さいため翌日から日常生活にはほとんど制限がありませんが、激しい運動はしばらく避けていただく必要があります。個人差がありますが、手術後2週間でウォーキングやサイクリング、3週間以上経過したら制限なくスポーツが可能になります。種目やポジションなどにもよりますので、再開の時期は医師に相談してください。